感染拡大防止、子ども・教職員・職員の命と健康を守る措置継続を

 大阪市当局は5月1日、市労組連に対し「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う労働条件について」を提案してきました。特別休暇、予防接種のための職務専念義務の免除、特殊勤務手当の特例措置の取扱いを5月7日をもって終了するというもの。

 市労組連は提案に対して、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う特例措置に関わる申し入れ」を行いました。

 全国一の死亡を出した行政責任の明確化、必要な措置の継続、学校保健安全法の規定、学校園長の判断の尊重、特別休暇等の継続等12項目。提案の再考を強く求めました。

市労組連申し入れ(PDF)

2023年5月1日

大阪市長
横山 英幸 様

大阪市労働組合総連合
執行委員長 宮城 登

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う特例措置に関わる申し入れ

 新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが 5 月 8 日から 2 類感染症から 5 類感染症に移行することが正式に決まったと厚生労働大臣が4月27日に発表しました。これに伴い新型コロナウイルス感染症対策の基本法的対処方針は廃止されます。あわせて総務省から地方公共団体宛てに発出された通知等で示された「新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けた職場における対応」等の取扱いについても終了するとされています。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の新規感染者は直近の7週続けて前週比 1.06倍から 1.24倍と増加が続いており、大阪モデルモニタリング指標でも大阪市内は「明らかに増加傾向」であることが示されています。さらに専門家からは第9波が起きることが言われています。

 こうした中で、感染症法上の位置づけが引き下げられたからといって、すぐに特例措置を廃止すれば、感染の大幅な再拡大を引き起こしかねません。また職場においても職員等の感染が増えれば行政運営や教育行政にも大きな支障を引き起こしかねません。地方公共団体としてそのようなことは絶対に避けなければなりません。

 ついては、教職員・職員が安心して働ける労働条件の確保、市民サービス継続や子どもたちが安心して学べる環境をつくるためにも新型コロナウイルス感染症に対する対策を継続する必要があると考えますので、以下の点について申し入れます。

1.新型コロナ感染症による死亡累計が、大阪府 8,546人、大阪市 3,442人(4月27日)で、全国一となっている原因、行政責任を明らかにすること。

2.感染拡大防止、子ども・教職員・職員の命と健康を守ることを最優先に、必要な措置を継続すること。

3.市長による一斉休校、「オンライン授業」の強制は、教育に対する「不当な支配」(教育基本法)であり、繰り返さないこと。教育行政に対する地方教育行政法違反の不当な介入を止めること。

4.学校保健安全法の規定、学校園長の判断を尊重すること。

5.現在行われている特例措置を継続すること。

6.新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や感染による後遺症に罹患している教職員・職員に対して、勤務上の配慮を行うこと。また、特別休暇を認めること。

7.感染拡大防止に対応する職員やスタッフ体制を強化し、マスクや防護服など個人防御具を十分に確保し、安心して業務に従事できる環境を整備すること。

8.保健師など専門職員を抜本的に増員し、保健所等の公衆衛生機能を充実させること。

9.子ども、教職員、職員のPCR検査を実施すること。

10.新型コロナウイルス感染症罹患により重篤化する可能性が高い、妊婦(妊婦のパートナーを含む)、基礎疾患のある教職員、高齢者や介護等を必要とする家族がいる教職員・職員等への特別休暇を有給で新設すること。感染リスクを減らすため、在宅勤務や教育公務員特例法第22条に基づく自宅での研修承認を必要に応じて積極的に活用すること。3密を避けるための時差通勤、マイカー通勤等について必要に応じて承認すること等、労安(安全配慮義務)の観点も踏まえて対応すること。

11.感染による特別休暇取得者が多数の職場・学校園について、市民の命と健康、子どもの学習権、安全な学校園生活を保障するため、人的措置を行うこと。欠員が生じている職場、学校園に、直ちに職員・代替講師を配置すること。

12.市民、職員、子ども教職員への感染を防ぐため、感染症を原因とする病気休暇取得により不利益が生じないよう、勤勉手当の支給割合に関する「欠勤日数等」から、「病気休暇」を除外すること。

以上