栄養教育推進事業の中学校への拡大にあたっての申し入れ

2017年7月24日

大阪市教育委員会
教育長 山本 晋次 様

                  大阪市学校園教職員組合    
執行委員長    宮城 登   
栄養教職員部長 城 寿美香

栄養教育推進事業の中学校への拡大にあたっての申し入れ

 偏食や肥満など子どもたちの食生活の乱れが深刻化する中で、学校教育においても児童・生徒に望ましい食習慣を形成するために食に関する指導を行う必要があることから、2005年に「栄養教諭制度」が創設されました。栄養教諭の職務内容は、食に関する指導とともに学校給食の管理が重要な職務であること、職務の内容や範囲については過重な負担とならないよう専門性を重視すること、兼務を前提とせず栄養教諭を全ての学校現場へ配置することが求められています。しかし、栄養教諭の配置については義務化されず、設置者である都道府県教委の判断に委ねられることから、給与の財政負担や給食実施率が低い中学校への配置が課題とされてきました。

 大阪市においては、1998年より「栄養教育推進事業」と称して、栄養教諭が配置されていない小学校における食に関する指導の試行が始まりました。行政区ごとに順次拡大しながら2006年度に全市実施となり、今日に至っています。この10年間で、指導時間が1単位から2単位へと業務は増えましたが、国の配置基準が改善されないことから栄養教諭の定数はほとんど増えないまま、食物アレルギー対応・調理業務民間委託・親子給食といった様々な課題と併せて多忙化がすすんでいます。一方、中学校については「食指導の対応」の加配として、全市で8名が配置されているだけです。

そのような課題が山積している小学校の栄養教諭に対し、市教委は2017年6月に開催された「栄養教育推進委員会事務局長会議」において、2018年度より栄養教育推進事業を中学校へも拡大する方針を突如として提案しました。来年度からの全中学校での実施とそれに向けた短期間での準備作業は、労働強化というほかありません。これ以上の多忙化を生み出さないよう、下記の要求事項について直ちに協議を申し入れます。

  1. 小中学校への栄養教諭の配置を計画的にすすめること。
  2. 小学校の栄養教諭の業務負担を軽減すること。
  3. 行政区による栄養教育推進事業の業務の不均衡を是正すること。
  4. 小中連携については指導資料提供の範囲とすること。

 以上