教科書市民の会が教育委員会に要請しよう と呼びかけ

 「戦争美化の教科書を子どもたちにわたさない大阪市民の会」が中学校道徳教科書の採択について、大阪市教育委員会への要請書の提出を呼びかけています。

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大阪市教へお送りいたたければ、いっしょに提出します。

要請書は下記のようなの内容です。
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大阪市教育委員会
教育長 山本晋次 様

安倍首相の演説掲載、家事や介護は母親の役割との家族の姿の固定化、
「心の成長」を自己評価させ「内心の自由」を奪うなど重大な問題を持つ
「日本教科書」の中学校道徳教科書を採択しないことを求める要請書

 小学校に続き、来年度から中学校で道徳が教科となり、使用される道徳教科書が8月初旬に大阪市教育委員会で採択されます。

 「日本教科書」は道徳専門の教科書会社で、今回の教科書検定に初めて申請し合格しました。侵略戦争を美化する育鵬社教科書を編集した八木秀次氏が設立し、代表取締役は侵略戦争を正当化し、韓国を誹謗中傷する『マンガ嫌韓流』を出版した「晋遊舎」の会長と同一人物です。「日本教科書」は、育鵬社の歴史や公民教科書と同じように、偏った子ども像や歴史観、「愛国心」を押しつけようとしています。

 「日本教科書」は安倍首相の「日米の同盟は『希望の同盟』」とした真珠湾での演説を、「国際理解、国際貢献」の教材「白菊」のページに掲載しています。掲載する必然性はありません。現職政治家の演説を教科書に使うことは検定基準に抵触する恐れがあるものです。「ライフロール」(人生の役割)では、祖母の介護のために母親が管理職昇進のための面談を断ります。「この状況じゃ仕方がない」と姉がいい、設問で「あなたの人生にとって、あなたが担う役割は」と聞いています。家族の姿が固定化され、子どもたちは家事や介護は母親の役割だと思い込まされます。

 「日本教科書」は、「心の成長を振り返りましょう」とする「私の道徳記録」で4段階の自己評価を求めています。学習指導要領にある22の内容項目(徳目)それぞれについて、4レベル「大切さや意味は理解していて、多くの場面で態度や行動にできている」を押しつけ「内心の自由」を奪うものとなっています。教育出版は心の輝き度を星の数で表し、廣済堂あかつきは5段階、東京書籍と日本文教出版は項目別ではありませんが、A~Dや丸を付けます。

 「愛国心」など徳目の達成度を数値や記号で評価させることは、子どもの考え方を縛るものです。道徳の授業で「正解」が示され、どう答えたら「評価」が良いのかと中学生が考え、感じたら、特定の生き方を覚えこむ息苦しい時間となります。
生き方に優劣をつけることはできません。子どもの良心の自由についての権利(子どもの権利条約第14条)を侵してはなりません。以下、要請します。

1.中学校道徳教科書について、重大な問題を持つ「日本教科書」を採択しないこと。

2.保護者、市民、子どもたちと直接向き合う教職員の意見を尊重すること。

3.子どもの考え方を縛り、生き方に優劣をつけるような、道徳の評価はやめること。

2018年  月   日
 住  所                          

 団 体 名                          

 代表者名                         印
(自筆の場合は、印は必要ありません)

取扱団体 戦争美化の教科書を子どもたちにわたさない大阪市民の会
        (事務局 大阪市教06-6910-8700)