第22回定期大会 執行委員長あいさつ

大阪市学校園教職員組合 第22回定期大会 執行委員長あいさつ

2010年5月22日
大阪市学校園教職員組合執行委員長 中路龍太郎

 本日は、休日にも関わりませず大阪市学校園教職員組合 第22回定期大会にご参加していただきありがとうございます。

 憲法と教育の条理に基づく民主的な学校づくりをすすめるため、奮闘されている代議員のみなさん、支部役員、専門部役員、傍聴者のみなさんに心から敬意を表します。

 また、大変お忙しい中、大会にご臨席賜りました来賓ならびに諸先輩の皆様に心から感謝申し上げます。

 まず、うれしい報告です。今年も4月1日から新採用者の組合加入があり、昨日現在( )名で、青年の加入も昨年度を上回っています。

 この状況は、昨年度のみなさんの奮闘が基礎になっていると思います。

振り返ってみると、大阪市の市費学校事務職員全廃計画の強行については、撤回を求める職場からの闘い、3度の深夜に及ぶ団体交渉、地域諸団体の協力などで、24校の中学校で市費学校事務職員を継続配置させることができました。また、長年の要求である就学援助加配・大規模校加配が基準通り配置され事務職員3名校の小学校が実現し、中学校で3名校が維持される等貴重な成果を勝ち取ることができました。加えて、学校事務センターを統合した学校経営管理センター(新事務センター)に大阪市教分会ができイキイキと活動し新しい仲間を組合に迎え入れていることも申し添えます。

 また、昨年12月の大阪府の母性保護・子育て支援に逆行する特別休暇廃止提案のうち、妊娠障害休暇は現行通り特別休暇、保育特別休暇は廃止にはなりましたが、当分の間は現行通りとする等一定部分を押し戻し、教職員組合の果たす役割がみんなの中で明らかになり、信頼感が広がりました。

 教職員勤務状況事務処理システム、(ICカード)問題でも、大阪市教は闘いをリードし、分会組合員はもちろん、管理職を含め職場の教職員から期待が高まっています。

 私は、この問題を、私たちの休憩時間を確保し長時間過密労働改善をすすめる闘いの武器にすることを訴えたいです。

 私たちは、昨年からその観点から、職場の声を元に市教委に問題点の指摘と改善をもとめてきました。しかし、みなさんの職場ではどうでしょう。管理職が教職員へ周知していないこと。その根本原因として市教委が管理職へ十分説明していないこと、また、2008年7月の「休憩時間確保に向けた市教委通知」を知らないまま対応している管理職もあり、結果として休憩時間の取得を管理職が妨害している事態も明らかになってきました。

 この問題は、「市教委が長時間勤務の実態把握の責任を果たせ」と私たちが長年要求してきた点から見れば、長時間労働が、データとして残されていくのですから、その点では、前進です。しかし、市教委は先の通知で「休憩時間の明示」を管理職に指示しており、「明示されているのに取らないほうが悪い。」と責任を教職員に押しつける可能性もあります。

 この問題のポイントは、使用者(つまり、大阪市教委ならびに管理職)が「勤務時間管理を使用者の責任において適切に行うこと、労働基準法を遵守すること」です。つまり、「市教委および管理職、が使用者として教職員に休憩時間を与えなくては、法律に違反する」ということです。これは、厚生労働省が、2001年4月6日に発出した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」でも明らかです

 これは、明治以来解決できなかった教職員の休憩時間の確保と長時間過密労働を解決する「歴史に残る闘い」になることは間違いありません。

 職場で管理職に申し入れ、職場の労働安全衛生委員会も活用し、「長時間過密労働改善」「休憩時間を取って、また良い仕事を」「そのためにも定数改善を」等を合い言葉に取り組みましょう。

 さて、年度末に、市教委による「日の丸・君が代」の新たな押し付けがありました。これには、職場で粘り強く闘い「教え子を再び戦場に送るな」の教職員組合運動の原点に立ち戻り、平和の問題、教育課程や教育内容の問題をもう一度学び直すことの重要性が改めて確認されました。

 これに関わって、本大会の最後のシングアウトの曲に「沖縄を返せ」をえらびました。お手許に歌詞カードと共に資料を添えています。これは、沖縄県がまだアメリカの占領下だった頃に施政権返還を目指して歌われた労働運動歌です。

 鳩山首相の「普天間基地は、国外移設を、少なくても県外」との公約違反に、沖縄県民は4月25日県民の7%、大阪では65 万人に相当する、9万人の県民大会で「基地撤去」の意志を示しました。この問題の根幹にある日米安全保障条約がいつまでも必要なのか再考の時を迎えています。

 私は2年前にハワイのオアフ島にある真珠湾のアリゾナ記念館を見学しました。1941年12月7日(現地時間)、真珠湾で沈んだ戦艦アリゾナの゛犠牲者を弔う為の博物館です。その展示のテーマは「日常生活をしていた市民に突如の攻撃を加えてきた日本軍」と言うものでした。そこで「アメリカ軍の空襲も広島、長崎も同じで戦争の犠牲者は名もなき市民だった。」と感じました。

 今問題となっている普天間基地はまさに町のまん中に基地が存在し、宜野湾市の市民は、日常的に戦争の犠牲になる危険の中で暮らしているのです。米軍基地は直ちに、広い国土のアメリカ合衆国に移転するべきです。

 世界では軍拡よりも、核兵器全廃への動きが大きく広がっています。ニューヨークで開催されている核不拡散条約 再検討会議成功を目指す大阪代表団に市教からも参加しました。

 さて、6月に参議院選挙が行われます。先月の「全国学力テストの押しつけは子どもたちがかわいそうだった。」とか、「早く30人学級を実現したいね」と職員室で話題になっても、「これが政治の動きと密接に結びついている。」とは、なっていないのではないでしょうか。政治を傍観していては要求は実現できません。大いに声をあげ選挙に参加し、子どもの貧困の解決、30人学級実現、教員免許更新制の廃止、教職員定数改善、基地撤去等々私たちの要求を実現させましょう。

 私は、小学校に勤務していますが、大量採用時代と呼ばれて6年が経過し、職場では過半数以上が青年という職場が大半です。加えて評価システムや習熟度別指導等で今まで以上に書類を作ったり、打ち合わせをする等の仕事が増えています。そのため「早朝から、夜遅くまで働き詰め」で体調を崩してしまう青年も増えています。周りの人も、「助けてあげよう」と思っても、自分たちもヘトヘトで助けられないのが実情ではないでしょうか?

 こんな状況は幼稚園でも中学校でも新事務センターでも同じではありませんか?

 根本的な解決は、教職員の定数をふやすことです。全教が今提起している「笑顔署名」にはこれらの要求が全て含まれています。大いに取り組みましょう。

 代議員のみなさん 最後に訴えたいです。

 今日の討論で職場の実情を出し合いましょう。

 大いに語り合って、闘いをリードする大阪市教の値打ちに確信を深めましょう。

 闘いを広げるため、大阪市教を強く大きくしましょう。

 無権利な状態で放置されている教職員に声をかけて、仲間に迎えましょう。

 最後に、本部のホームページもリニューアルしました。下のQRコードを携帯電話で読み取って職場のみなさんに知らせてください。

 私は本部執行委員会を代表して、分会・支部のみなさんと共に闘う決意を申し上げて、挨拶といたします。ありがとうございました。