「学力向上支援チーム事業」(若手の授業 数値で評価)についての要求書を提出しました

2022年2月24日

大阪市教育委員会教育長
 山本晋次 様

大阪市学校園教職員組合
執行委員長 宮城登

 「学力向上支援チーム事業」(若手の授業 数値で評価)についての要求書(PDF)

「学力向上支援チーム事業」(若手の授業 数値で評価)についての要求書

 朝日新聞2022年2月10日付は、「若手の授業 数値で評価」の見出しで、「大阪市教育委員会は4月から、若手教員の授業を数値で評価する事業を全市立小中学校で始める。元校長らが評価し、児童生徒にもアンケートで『わかりやすさ』などを尋ねる。」と報じました。

 オンラインにコメントが9日、10日約300件寄せられ(デジタルは9日17:56配信)、「若い教員は萎縮」「授業を研究させる暇も与えない。満足に研究できなかった授業で日々を凌いでいる若手は低評価を受けて自信を無くす」「まずは労働環境の改善」「こんなことをするから大阪の若い先生の離職率が高いし、採用倍率も下がるんですよ」「大阪の教員を目指す若者は確実に減少する」「教職志望の学生に学生課が『大阪は止めといた方が良い』と言うんですね。教職志望率最低の大阪」「これでまた教員志望が減る…教員が足りなくなる…ブラックな職場が蔓延…それが現実」「教育現場に数値目標や評価が合わない」「もう大阪の公教育は破綻する。教育ではなく、政治主導による、サービス業そのもの」等々の声が上がりました。

 大阪市は2月16日、「令和4年度(2022年度)当初予算(案)」を公表しました。「令和4年度予算(案)について~豊かな大阪の実現に向けて~PDF版)」「きめ細やかな質の高い学校教育の推進①」、新規事業「学力向上支援チーム事業」の項で、「スクールアドバイザーによる訪問指導(小中学校等 全409校)」を上げています。「令和4年度予算案・説明」では、「全小中学校等の教員の授業力向上を図るとともに、学力に課題の見られる全ての児童生徒へのきめ細やかで継続した指導・支援のため、ブロック担当指導主事やスクールアドバイザー(指導技術に長けた元校長等 44 人)などから構成される「支援チーム」を設置 ・スクールアドバイザーが小中学校等全409校を定期的に訪問(月2回程度)し、データ等の分析に基づいた実践的指導助言を行うことにより、教員の授業力向上を支援」としましたが、「若手の教員」「数値で評価」の記述はありません。

 朝日新聞2月19日付は、「2022年度の主な教育関連予算」として、「・学力向上支援チーム事業(5億5400万円)約400の全小中学校を元校長らの『支援チーム』が月2回程度訪れ、各教員1人の授業を評価・指導。教員の授業力向上を図る。」報じました。

 学校園現場では「若手の授業 数値で評価」の突然の報道に、驚き、不安、怒りの声が上がっています。大阪市学校園教職員組合は「「若手の授業 数値で評価」の撤回を求めます。コロナ禍のもと子どもの命と健康を守る、教職員が一丸となった取り組みに分断を持ち込む「評価」を止めることをこの間要求してきました(大阪市教職員組合協議会労働条件改善要求書2022年1月21日 人事評価制度において絶対評価との矛盾を広げ、成績主義を強める相対評価を廃止すること。教育職員に対して、職員基本条例第3条の定めに反する、また公正性・納得性・透明性に大きな問題を持つ人事評価制度(相対評価)を止めること。大阪市人事評価制度を人事・処遇に連動させないこと)。                    
 また、「授業アンケート」の問題点を指摘し実施反対の立場を明らかにしてきました。

 勤務労働条件に大きく関わる「若手の授業 数値で評価」の問題について、事業の詳細を提案し、協議に応じることを要求します。

1.新聞報道の内容、「スクールアドバイザーによる訪問指導」の詳細について説明すること。

2.訪問指導の対象となる「若手」を明らかにすること。

3.なぜ「若手」なのか、「若手」を対象とする根拠、根拠法令は何か明らかにすること。

4.「実践的指導助言」ではなく、「評価」なのか、「評価」をする根拠、根拠法令は何かを明らかに 
すること。

5.各校1人はどのように選ぶのか。差別的扱いではないのか。

6.「数値で評価」の詳細を明らかにすること。

7.人事評価制度(相対評価)を止めること。人事・処遇に連動させないこと

以上

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<資料1.> 朝日新聞2022年2月10日

若手の授業 数値で評価 大阪市教委

 大阪市教育委員会は4月から・若手教員の授業を数値で評価する事業を全市立小中学校で始める。元校長らが評価し、児童生徒にもアンケートで授業の「わかりやすさ」などを尋ねる。市教委によると、他の自治体で同様の取り組みは把握していないという。

 大阪市は今年度、全国学力調査の全科目の結果で全国平均を下回っており、主に若手教員らの授業を改善して学力の底上げにつなげたい考えだ。評価するのは約400の全市立小中学校で各校1人の授業。対象は小学校では国語と算数、中学校は学校ごとに数科目を選ぶ。元校長らが授業を見て「板書のわかりやすさ」「発問の工夫」など9項目で4段階評価して助言もし、教員も自己評価する。児童生徒にもアンケートをし、授業の「わかりやすさ」「楽しさ」など7項目を4段階で尋ねる

<資料2.> 朝日新聞2022年2月10日

・学力向上支援チーム事業(5億5400万円)
 約400の全小中学校を元校長らの「支援チーム」が月2回程度訪れ、各校教員1人の授業を評価・指導。教員の授業力向上を図る。学力に課題のある児童生徒の多い小中90校で、元教員らが放課後学習支援をする。

・学校教育ICT活用事業(65億8900万円)
 新型コロナ感染拡大時の学びの保障のため、教員によるオンライン学習の取り組みを支援するため、ICT教育アシスタントを37人から65人に増員する。

<資料3.> 令和4年度(2022年度)当初予算(案)2022年2月16日
令和4年度予算(案)について ~ 豊かな大阪の実現に向けて ~(PDF版)