(大阪市教 電子版)デジタル教育 大会発言から

電子版題字デジタル教育の問題点について討論に参加します。今、学校の子どもたちの様子が変化してきていないでしょうか。残念ながら人の話をなかなか聞けない子、自分の答えが正解でないとすぐキレる子、指示が通りにくくなった教室が増えていませんか。また、ノートや字を書くことを嫌がる子や、読みとりにくい字・数字ばかりのテストの答案が目立ちませんか?全国でも様々報告されています。

この背景には、乳幼児期からのスマホ文化の広がりとともに、コロナ禍を契機にGIGAスクール構想の下、タブレット教育が急速に広まったこと、各学校に毎日どれだけタブレットを使ったかの調査が強まるなど使用を強制されてきたことがあります。

現場では、「心の天気」を入力させるなんて、毎日させる意味があるの?子どもの内心の自由を侵している、など異論が続出しています。また、課題やテストが早く終わった子は、以前なら読書をして活字に親しんでいたものですが、今はてっとりばやく静かにできると、タブレットで「カフート」や好きなゲームをする子ばかりになってきています。この流れの中に加えて、デジタル教科書の導入が高らかに謳われてきています。

しかし、今世界の流れは日本と真逆です。日本より10年以上早くデジタル端末を導入し、紙の教科書からデジタル教材に移行したスウェーデンでは、子どもたちの読書量の低下、読み書き計算力の大幅低下、暴力や荒れ、さらには教師の教える能力の低下が社会問題となり、教育大臣が「本、紙、ペンを使った従来の教育が最適である、という科学的裏付けがある」と発表、ついに2023年に明確な政策転換を行い、デジタル教育からアナログ教育へ回帰してきています。

ノルウェーも校内暴力の続発から、デンマーク・フィンランド・オランダでも、子どもたちの低学力からデジタル化の見直しが急速に進められ、ニュージーランドやアメリカでは手書き学習の重要性が再確認されカリキュラムに取り入れられてきています。お隣の韓国でも、子どもに学力がつかないと保護者の反発を受け、AIデジタル教科書は事実上廃止となりました。

一方、学力世界一といわれるシンガポールでは社会のデジタル化と教育のデジタル化のはきちんと区別され、小学校では一人1台端末は導入せず、中学校から、と発達段階が踏まえられ、デジタルとアナログの融合で進めています。

脳が急速に発達していく子どもたちにとって、デジタルツールは睡眠や集中力、学習にリスクがあることが科学的な研究によって明らかになってきているのです。このように、ICT先進国が軒並み失敗し、アナログ教育に戻ってきているのが世界の流れです。

さらに、最近の脳科学の知見では、紙と手書きの方がデジタルよりも記憶に残る、漢字の手書き習慣が高度な言語能力の発達と関連している、紙の読解力テストの方がデジタルのものよりも得点が高い、などが科学的に明らかになっています。紙の教科書やノート、板書、対話と話し合い、読書など、日本の教育がこれまでずっと大切にしてきた手書き学習、アナログ教育こそが脳の発達を促すのであり、今や、いわば世界の最先端となっているわけです。

今、日本におけるデジタル教科書導入は「慎重に」という声や「導入の見直しを」という声の高まりをうけて、文科省も若干の手直しを言い出しています。しかし、同時に「推進せよ」というICT産業界や先進校の声もあり、綱引きが始まっています。さらには、次期学習指導要領は「デジタル学習指導要領」と言われ、子どもたちの学習履歴を吸い上げ、マイナンバーカードと紐づける教育全体のデジタル支配が狙われていると指摘されています。

子どもたちの健やかな発達、確かな学力と豊かな人格形成の教育を進め、うそを見抜き、日本の平和を守る主権者として育っていくことを展望して、みんなで大いに話し合っていきましょう。